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2015年12月02日健康コラム

ヒートショック

いよいよ12月を迎えました。
寒い日の入浴は、体が芯から温まり、ホッとしますよね。しかし、冬は入浴中に亡くなるケースが1年のうちで最も多い季節であることをご存知ですか?

東京健康長寿医療センターによれば、入浴中の死亡事故は年間約1万7000人と年々増加傾向にあり、交通事故による死亡者数(2009年以降年間4000人台)を大きく上回るそうです。大半は65歳以上の高齢者で、死因は病死と溺死がほとんど。病気の発作が起きて転倒し、溺死してしまうケースもあるようです。病死の主な原因は心筋梗塞と脳卒中で、入浴中に心肺機能停止となる人数で比較すると、外気温が低くなる1月は、最も少ない8月の約11倍というデータがあります。これはヒートショックによるものと考えられています。

「ヒートショック 」とは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することによって起こる健康被害といわれ、体全体が露出する入浴時に多く発生します。
室温10℃以下の寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10℃程度下がります。すると私たちの体は寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因の一つといわれています。
さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の温かい湯に浸かることによって血管が拡張し、反対に急激に低下してしまいます。この血圧の急低下が失神を起こす原因の一つとなります。浴槽内で失神することにより、溺れて亡くなるケースは入浴中急死の典型例といえます。
 このように冬場の入浴には、血圧をジェットコースターのように大きく変動させる要因が潜んでおり、ヒートショックの危険を伴います。 

 ヒートショックヒートショックの予防としては
○脱衣所や浴室を暖房器具で温める
○シャワーを使ってお湯はりをし、浴室全体を温める
○食事直後・飲酒時の入浴を控える
○風呂の湯温を41℃以下に設定する
○入浴の前後に水分を補給する
などがあります。最近ではヒートショックを予防するための浴室暖房乾燥機のCMも見かけるようになりました。

入浴は体を温めてくれるだけでなく、寒さで緊張した筋肉をほぐして肩こりを和らげたり、リラックス効果もあります。安全・安心を心掛け、上手に利用しましょう。高齢者が入浴している際は、ご家族の声掛けなどの気配り・・。 
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